――スランプの乗り越え方に親が協力できることはありますか?
坪田:「ビジュアル化」が効果的で、実際に一緒に大学に行くことはすごく重要です。行きたい大学の写真を机の前に張るだけでも、一年後に自分がこういう状態になるぞとやる気になる。ただ、あまりにも先が長いと目標を見失って挫折してしまいますから、直近目標も作る。ひとつ知識が増えただけでも成長だと認識させることが重要です。例えば、塾でやるべきことの10個中、その子が1個しかやっていなかったとしても成長です。そこを認めてあげないと、“10個中1個しかやってないからもういいや”と挫折してしまうのです。
――完璧主義みたいになってしまうということですね。
坪田:ぼくに言わせれば完璧主義は人を潰しますね。実際、大学受験って7割できれば合格できるんですよ。ちなみに東大の場合は、試験で6割できれば合格できますから。完璧にできていないとダメとみんな思いがちなんです。
――最後に、いい塾の見極め方とは?
坪田:その塾の人を見てください。素晴らしい人材が育っているということは、その会社の根底に素晴らしい理念があるはずですから。まず塾に行って話を聞いてください。これが本当に重要で、人がいいと言ってるとか、近所だからとか、あるいは費用が安いからと言う人もいますが、それは目的を見失っています。先生に会って話を聞いて、子供のやる気が出るところが一番だと思います。高い目標を持つと、必ず途中で挫折したり諦めそうになったりする瞬間があります。それを前提に考えた時に、最初の時点で生徒のやる気を喚起できない先生は、落ち込んだ時に子供を引き上げられませんから。
【坪田信貴(つぼた・のぶたか)】
愛知県名古屋市にある青藍義塾代表取締役・塾長。IT企業など複数社の経営者、企業家でもある。TOEICは990点(満点)でネイティブ並みの英会話力を持つ。海外留学中に学んだ心理学を駆使した学習指導法により、生徒の偏差値を短期間で急激に上げることに定評がある。教え子には「偏差値40から東京大学に合格」「学年ビリから医学部進学」など異例のエピソード多数。夢は「世界的に有名になった教え子達の自伝に名前が載ること」。