第二次政権になって以降は昭恵夫人や親族、秘書官ら一部の側近と回ることが多かったが、昨年夏頃から財界人が増え、最近では公明党関係者ともプレーするなど、安倍氏はゴルフを“交渉の場”として活用している。
例えば、4月6日には公明党の北側一雄副代表、自民党の佐藤勉国対委員長と一緒にラウンドした。
「集団的自衛権を巡り公明党とのギリギリの折衝が予想されるなか、首相が自らオファーした。自民党の国対委員長を同席させたのもそのためだ。ちなみに最初は公明党の漆原良夫国対委員長を誘ったが、断わられたらしい」(政治部記者)
国対委員長同士が一緒にプレーしていたら、なれ合い政治との批判は避けられそうにないが、一緒にラウンドしたことのある安倍首相の知人によると、「ゴルフ中は政治の話はほとんどしない」というから、ゴルフ場で政治談義に花が咲くわけではなさそうだ。ただし、「政治家とのゴルフは『セットされた』こと自体に意味がある」(政治部記者)というのが永田町の定説である。
だが、安倍首相が本当にラウンドしたいのは、読売新聞の渡邉恒雄会長だという。
「ナベツネさんとプレーしたいが、ゴルフができる年齢ではなくなってしまった」(安倍ブレーン)
安倍首相にとって、政策を高く評価してくれる読売新聞は心強い存在なのだろう。冒頭の記者との懇談でも、「渡邉さんはねぇ、バンカーに入った瞬間にキャディさんが先にボールを出しとくんだよ。後ろがつかえているからね」と明かしていた。
※週刊ポスト2014年6月6日号