『賢くなるパズル』(学習研究社)はシリーズ累計150万部を突破。首都圏でわが子に有名私立中学を受験させようとする親たちの間で知られ、2006年12月の『情熱大陸』(TBS系)、そして今年3月放送の『全力教室』(フジテレビ系)が大きな反響を呼んだ「天下無敵の宮本算数教室」の主宰者・宮本哲也さん。
彼が注目を集めたのは、独自のメソッドで、結果を出し続けているからだが、それだけではない。テレビや講演会で親に向けた言葉の数々だ。その子供に言っていい言葉・悪い言葉を12個ずつ紹介しよう。
【子供に言っていい言葉】
「よその子は10時間眠ったから合格したんだよ」
寝る前に頭を使った子供ほど長時間の睡眠が必要。そして寝て起きると思考が深まって、できなかった問題がスラッと解けることがよくある。
「がんばっているね」
していることを肯定されると、子供はまずうれしく思い、次に「まだまだできる」とやる気になれる。
「こんなに時間をかけて考えられて、すごいね」
入試は制限時間内に解けないと困るが、学習は中途半端な理解で先に進むべきではない。時間をかけて理解しようとしている姿勢をたたえるべき。
「あなたはどうしたいの?」
希望を言うことによって、言葉の力を鍛えられる。希望を聞いたら毎回ではなくてもかなえてあげる。でないと質問されても答えない子になる。
「あなたはどう思う?」
意見を言わせたら「どうしてそう思ったの?」と、その理由も聞くと論理的思考力を育てていくことができる。
「お母さんはこういう理由で賛成しない」
子供の話に納得いかないときは、はっきり否定してかまわない。否定の理由がわかれば、子供は作戦を練り直して再度挑戦することができる。
「ありがとう」
子供に「あなたは価値のある人間だ」と伝えるために、家事の手伝いをしてくれたときに使う言葉。
「とても助かった」
「ありがとう」と同じく、感謝の言葉を毎日積み上げていくと、子供の自信につながっていく。
「えらいねー」
「ありがとう」「とても助かった」と同じ効果があるし、子供が目標を定めたときに大きな力になる言葉。
「よかったねー」
大好きなお母さんから問題が解けてほめられると、「もっとがんばるから、お母さん見てて」となる。
「どこまでわかるの?」
問題につまずいて、子供の手が動かなくなったら、どこまでわかっているのか聞く。その説明をしているうちに「わかった!」と解けることも、よくある。
「もうすぐだね。明日またやってみようよ」
寝る時間が遅くなりそうなときは、問題が解けなくても打ち切って明日に繰り越すと、かえって正答率が上がる。あきらめず、続けるように仕向けることが大事。