サントリー食品のほか、これまでイオンや日産、大和ハウス、アサヒ飲料などがこのサービスを活用した。大規模キャンペーンだけに、顧客は大企業が中心で、それだけソフトバンク側の収入も大きい。
ただし先行投資があったため、まだ黒字にはなっていないという。
「将来目指す形を考えると、『ウルトラ集客』事業の進捗度合いはまだ3合目。今後は、消費者動向のデータを分析し、それも武器として事業の価値を高めていく」(町田氏)
グループ内のソフトバンクテレコムとヤフーの協力体制により、新たな稼ぎ頭となる可能性はある。が、O2Oではスマホ向けアプリ「LINE」で企業が公式アカウントを取得し、「友達」になった何万人もの消費者に直接割引クーポンを送ることができる「LINEクーポン」などライバルも多い。
ヤフー自体は好調だがそれとて変革し続けなければ戦うことはできない。携帯同様に競争と技術革新の激しい分野だけに、最後に成否を決めるのは、やはり同社の挑戦し続ける企業文化が巨大グループ全体に浸透するかどうかだろう。
●取材・文/永井隆(ジャーナリスト)と本誌取材班
※SAPIO2014年7月号