1997年のアジア通貨危機以降、IT産業振興に力を注いできた韓国は自国を「ネット先進国」だと誇る。ところが、その韓国で不思議な現象をキャッチしたのは在韓ジャーナリストの藤原修平氏だ。
「日本には韓流デリヘル(派遣型風俗)店がたくさんありますが、それらの店のホームページの多くが、韓国国内からはアクセスできないようになっているのです。日本人女性の働く店や白人系風俗、ニューハーフヘルスなどはいくらでもアクセスできるのですが、韓国人女性が働いていると謳う店ばかりが閲覧禁止になっていました」
警告メッセージの横には大きく「KCSC」とある。これは韓国の「放送通信審議委員会」の英字略称で、法に基づいて設置された、「情報通信における健全な文化の発達」などを目的とした組織だ。
解せないのは、「韓流デリヘル店」ばかりが閲覧禁止になっていることだ。日本の風俗店のホームページが淫乱だというのであれば、働いている女性の国籍を問わずアクセスできないようにするべきではないのか。閲覧禁止とされていた都内のデリヘル店に取材すると「アクセス禁止になっているなんて全く知らなかった」とコメント。当事者に通告することなく通信を遮断できるのだからずいぶん強大な権限を持つ検閲組織である。
韓流デリヘル店サイトの閲覧禁止措置の理由をKCSCに取材すると「回答をまとめる時間がない」と答えるのみだった。東京IT新聞編集長・西村健太郎氏はこう解説する。
「韓流デリヘルのサイトばかりが閲覧できないのであれば、韓国当局が通報に対応して個別に規制しているというよりは、特定のキーワードでフィルターをかけ、アクセスを制限していると考えるのが自然。それは技術的には容易なことだ」