投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の6月30日~7月4日の動きを振り返りつつ、7月7日~7月11日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は上昇し、6月戻り高値を突破している。前週末の大幅な下げで15000円割れ寸前まで下げていたが、これにより短期的な過熱感が後退したようだ。名実とも7月相場入りとなるなか、年金資金と見られる資金流入が強まり、リバウンド基調が強まった。その後は米国が雇用統計などの重要な経済指標の発表を控えていたことや、4日が独立記念日で三連休となることで海外勢のフローが減少。日経平均は戻り高値水準でのこう着が続いたものの、雇用統計が予想を上回ったことで3日のNYダウが初の17000ドルに乗せるなか、戻り高値を更新している。
注目された6月の全国企業短期経済観測調査(短観)は、大企業製造業DIがプラス12と、3月の前回調査から5ポイント下落し、6四半期ぶりに悪化した。駆け込み需要の反動減は想定されていたが、足元ではプラス15との見方もあっただけに、予想を下回る状況のなかで売られる局面もみられた。しかし、下を売り込む流れにはならず、反対に買い戻しを迫らせる格好にも。
今週も堅調な展開が期待されそうである。日経平均は買い先行後には上げ幅縮める展開が続いており、連日で陰線を形成。心理的には上値の重さが嫌気されやすい状況であろうが、これを個人主体による中小型株物色が打ち消している。
とりわけテーマ株物色が活発であり、ロボット関連や水素ステーション関連などへの資金集中が目立っていた。VOYAGE<3688>、レアジョブ<6096>など直近IPO銘柄に値幅取り狙いなども活発だった。3日には東証1部の騰落銘柄で値下がり数が全体の過半数を占め、主要な株価指数は総じてマイナスだったが、中小型株の強い値動きによって良好な地合いに感じられるほどである。
6月雇用統計で非農業部門雇用者数が28万8千人増、失業率も6.1%へと低下した。雇用の伸びが予想を上回り、失業率が約6年ぶりの低水準に改善している。これにより、米国のエコノミストなどは当局による2006年以来初の利上げ時期の見通しを前倒ししているようである。そのため、利上げのタイミング等を連想させる要人発言などが相場の変動要因になりそうである。
9日には米連邦準備制度理事会(FRB)が米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録を公表する。今回の雇用統計の伸びが、FOMCに2015年1-3月(第1四半期)中の利上げを強いる可能性があるとの見方もされている。