ビジネス

空き家を宿泊施設として活用 高齢者は年金の補填に利用可能

 所有や占有ではなく共有、つまり「必要な時だけ借りる」「必要な分だけ借りる」という概念の「シェアビジネス」の注目企業、世界中の空き部屋宿泊をインターネットで仲介する「Airbnb(エアービーアンドビー)」はすでに日本に“上陸”しているものの、日本では他国でのような事業展開ができずにいる。大前研一氏が、日本で「エバービーアンドビー」が活用されることによる新たなビジネスの可能性について報告する。

 * * *
 日本の場合、エアービーアンドビーのような宿泊施設の斡旋(あっせん)は、旅館業法に抵触する。同法は「宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業」をホテル、旅館、簡易宿所、下宿の4種類に分けて「旅館業」と定義し、都道府県知事に、その許認可の権限を与えている。
 
 その上で、「営業者は、営業の施設について、換気、採光、照明、防湿及び清潔その他宿泊者の衛生に必要な措置を講じなければならない」(第4条)として、施設が構造設備や設置場所、衛生面の基準を満たしているか審査している。具体的には、スプリンクラーや防火壁の設置、いざという時の避難経路の確保など、非常に細かい規制がある。

 しかし、現在、日本でエアービーアンドビーにホスト(貸し出し主)が登録している物件は、こうした基準を満たしていない。今のところ監督官庁が「大目に見ている」のが実情だ。

 実際、旅館業の許可を受けずに東京都足立区の自宅で外国人観光客向けの宿泊施設を営業したとして、イギリス人の男が旅館業法違反の疑いで警視庁に逮捕され、これ見よがしに手錠をかけられて連行されるシーンがテレビで流されていた。同様に大阪市や札幌市でも旅館業法違反の疑いで逮捕者が出ている。

 まず、エアービーアンドビー的なサービスで別荘が甦(よみがえ)る。軽井沢や蓼科(たてしな)、伊豆などの別荘を、持ち主が使っていない時に安く借りることができたら、相当なニーズが見込めるはずだ。高齢化した持ち主がほとんど使っていない別荘も多いので、それを借り上げて整備し、第三者に貸し出す業者が登場すれば、利用する人は少なくないだろう。

関連記事

トピックス

2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(時事通信フォト)
《「心神喪失」の可能性》ファストフード中学生2人殺傷 容疑者は“野に放たれる”のか もし不起訴でも「医療観察精度の対象、入院したら18か月が標準」 弁護士が解説する“その後”
NEWSポストセブン
被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバムと住所・職業不詳の谷内寛幸容疑(右・時事通信フォト)
〈15歳・女子高生刺殺〉24歳容疑者の生い立ち「実家で大きめのボヤ騒ぎが起きて…」「亡くなった母親を見舞う姿も見ていない」一家バラバラで「孤独な少年時代」 
NEWSポストセブン
6月にブラジルを訪問する予定の佳子さま(2025年3月、東京・千代田区。撮影/JMPA) 
佳子さま、6月のブラジル訪問で異例の「メイド募集」 現地領事館が短期採用の臨時職員を募集、“佳子さまのための増員”か 
女性セブン
〈トイレがわかりにくい〉という不満が噴出されていることがわかった(読者提供)
《大阪・関西万博》「おせーよ、誰もいねーのかよ!」「『ピーピー』音が鳴っていて…」“トイレわかりにくいトラブル”を実体験した来場者が告白【トラブル写真】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《広末涼子が釈放》「グシャグシャジープの持ち主」だった“自称マネージャー”の意向は? 「処罰は望んでいなんじゃないか」との指摘も 「骨折して重傷」の現在
NEWSポストセブン
大阪・関西万博が開幕し、来場者でにぎわう会場
《大阪・関西万博“炎上スポット”のリアル》大屋根リング、大行列、未完成パビリオン…来場者が明かした賛&否 3850円えきそばには「写真と違う」と不満も
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン
19年ぶりに春のセンバツを優勝した横浜高校
【スーパー中学生たちの「スカウト合戦」最前線】今春センバツを制した横浜と出場を逃した大阪桐蔭の差はどこにあったのか
週刊ポスト
「複数の刺し傷があった」被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバムと、手柄さんが見つかった自宅マンション
「ダンスをやっていて活発な人気者」「男の子にも好かれていたんじゃないかな」手柄玲奈さん(15)刺殺で同級生が涙の証言【さいたま市・女子高生刺殺】
NEWSポストセブン
山口組も大谷のプレーに関心を寄せているようだ(司組長の写真は時事通信)
〈山口組が大谷翔平を「日本人の誇り」と称賛〉機関紙で見せた司忍組長の「銀色着物姿」 83歳のお祝いに届いた大量の胡蝶蘭
NEWSポストセブン
20年ぶりの万博で”桜”のリンクコーデを披露された天皇皇后両陛下(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA) 
皇后雅子さまが大阪・関西万博の開幕日にご登場 20年ぶりの万博で見せられた晴れやかな笑顔と”桜”のリンクコーデ
NEWSポストセブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
《実兄が夜空の下で独白》騒動後に中居正広氏が送った“2言だけのメール文面”と、性暴力が認定された弟への“揺るぎない信頼”「趣味が合うんだよね、ヤンキーに憧れた世代だから」
NEWSポストセブン