計18回の中には期限内にゴールできなかった回もあり、結果は13勝5敗。が、同番組は勝敗より“過程が重要”を地でゆき、スタッフも〈想定外〉のルートを地図と旅先での出会いだけを頼りに〈人力〉で発見するなど、ある意味、人生の縮図そのものだ。
その間、地図と終始にらめっこのリーダーをよそに、バスの中で寝息すら立てる蛭子氏や、そんな2人にハラハラするマドンナの様子も可笑しく、責任感の人・太川氏も時にはブチ切れる。
例えば地図を片時も離さない太川氏を労うマドンナに、蛭子氏は要らぬ一言を放つ。〈あ、太川さんは心配性だから〉。または太川氏がある重要なバス停の名前を失念してしまった時のこと。〈エ~!! メモしてなかったの? 信じられない、リーダーなのにさっ!!〉と、どこまでも軽く、他人の失敗には率直な蛭子サンなのである。
「カチンとくるでしょ~。自分では何もしないくせに、人のミスはここぞとばかりネチネチついてくるんです。僕なんか彼に何か言われるのが嫌だから、もう二度と間違わないぞって!(笑い)
とにかく僕は全員が無事ゴールすることと、面白い映像が撮れることに力を注いでいて、独断で決めざるを得ない緊急事態を除けば、みんなが〈納得〉した上で旅を続けるようにしている。それはどこの組織も同じだと思うんです。僕はリーダーというより調整役で、各々の意見と状況とを俯瞰した上で決めるべきは決め、説得すべきは説得する」