フジテレビの7月~9月期のドラマ『HERO』(木村拓哉主演)が全11回の平均視聴率で21.3%を記録。今年の民放連続ドラマで堂々の1位となり、久々に“月9”の面目を躍如した。フジテレビ関係者はこう話す。
「この大ヒットは局にとってはもちろん、SMAPにとっても大きかったんです。実は、局内では“そろそろSMAP頼みの体制から脱却しよう”という話が出ていました。『HERO』の開始前は『SMAP×SMAP』(スマスマ)の視聴率も悪く、1ケタの日もあった。それに、キムタクをはじめとするメンバーの主演ドラマも、数字が取れなくなっていた。実際、今年放送された香取慎吾と稲垣吾郎のドラマは、ともに全話の平均視聴率が1ケタに終わった。40代中心のSMAPから20代の嵐にシフトしようという流れになっていたんです」
メンバーのレギュラー番組を見ると、話の信憑性が増してくる。『スマスマ』と『ベビスマ』(日曜深夜に放送される3分間のスピンオフ番組)を除けば、フジでは香取慎吾が『おじゃマップ』を担当しているのみ。他局に5本もの司会番組を持つ中居正広でさえ、『ワイドナショー』の準レギュラーがあるだけなのだ。
そもそも、SMAPの歴史はフジテレビを抜きには語れない。歌番組が激減していた1991年にCDデビューしたSMAPは、これまでのジャニーズ事務所のアイドルとは違い、バラエティ番組に活路を求め、そこで大きな役割を担ったテレビ局こそフジテレビだったのだ。
1992年から深夜番組『夢がMORIMORI』が始まり、1994年には『笑っていいとも!』のレギュラーに中居正広と香取慎吾が抜擢され、翌年には草なぎ剛も加わった。“日本のお昼の顔”と言われた『いいとも』をキッカケに、3人の人気は急上昇カーブを描き始める。