学生が企業で働く体験をする「インターンシップ」。企業にとっても学生にとっても重要な「場」だが、最近は甘やかす傾向があるという。作家で人材コンサルタントの常見陽平氏がとあるインターンシップ学生を叱った経験を語る。
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久々に学生を叱りました。放送局でインターンシップ中の学生です。
報道部でのインターンシップで、カメラ片手にドキュメンタリー番組を製作するというプログラムでした。「ノマド(懐かしいですね)、ユーチューバーなど、企業に縛られない働き方についてドキュメンタリーを撮っている。常見さんに、ぜひ取材したい」というメールが入りました。書籍の執筆期間で忙しかったのですが、これも若者応援、社会貢献だと思い、お受けしました。
彼らは学生並みから言うと、マナーが悪かったわけではありません。むしろ良い方でした。番組の企画や仮説は稚拙だなとも感じましたが、これも学生並みから言うと良い方です。ただ、私の言うことが、彼らがもともと立てていた仮説と違うため、困惑した様子でした。
そして、こんな趣旨のことを私の前で言い出したのです。
「この映像、どう使おう・・・。うまくハマらない・・・」
私は、こう言って叱りました。
「それは、インタビューした人の前で、言うことじゃないでしょう?」
別に怒鳴ったわけでもありません。実に淡々と伝えました。そして、私、感情的に「怒って」いたわけではないのです。今どきの学生にはよくあることだからです。比較的マナーが良いと言われる体育会やヤンキーですら、緩さを感じます。そして、大学院時代も経験したことですが、真面目に勉強・研究している学生が別にマナーが良いわけではありません。
ただ、ここで叱ることが大人の仕事だと思ったわけです。そして、こういう叱られる、プロジェクトが上手くいかないことを経験することこそ、インターンシップで学ぶべきことだと思うのです。ここで叱らないと、今後も彼らは大人達を不愉快にさせていくかもしれません。インターン先の企業や、通っている大学のイメージを下げるかもしれません。
彼らはかなり凹んだようで、しょんぼりしてオフィスに戻ったとか。というのも、その後、夜にインターンシップの受け入れ先のプロデューサーが私に電話をかけてきたのです。学生がご迷惑をおかけした、と。以前、一緒に仕事したことがある方でした。私は「もう十分叱ったので、フォローしておいてください」と伝えました。