ディナーはもちろん、神戸牛に限る。少し早めの18時に予約を入れたのは、『神戸牛鉄板焼 神戸牛ステーキ ishida 三宮店』。神戸牛のみを扱うステーキ専門店だ。某有名日本人メジャーリーガーも訪れている名店である。ちなみに「神戸牛」とは、黒毛和牛の中でも上質な但馬(たじま)牛(それも3世代続いているもの)を指す。
今宵は「限定ペアーコース」(2人で2万304円)を予約しておいた。鉄板前のカウンター席に座り、オードブル(とくにローストビーフが絶品)からスタート。その後スープ、サラダと続く。
メインである神戸牛のサーロイン(2人で280グラム)が目の前に鎮座しているのだが、その横に並ぶ小さな白い塊が気になる。なんだろう? と思っていると、おもむろにシェフがその塊を焼き始めた。「フォアグラのソテーです」。そう、「限定ペアーコース」では、メインの前に至高の一品が提供されるのだ。
今年で20回目を迎える神戸ルミナリエのテーマは「神戸 夢と光」。色とりどりの電球で装飾が施された光の芸術を眺めながら歩いていると、どこか異次元に迷い込んだ気になる。気づけば「大切な人」の手をぎゅっと握っていた。神戸牛とワインでテンションもMAXになっていたせいだろうか、彼女も手を握り返してきた。よし、神戸の旅は大成功だ!
歩き疲れてホテルへ戻り、その足で最上階の『スカイラウンジ 港’s(コウズ)』へ向かった。さまざまな色に変化する観覧車や煌(きら)めくビル群、そして港を行き交う船の灯りを眺めながら、情熱の赤いカクテル『ポートタワーレッド』(2138円)で再び乾杯!
神戸の夜は更けていく──。
■鳥海高太朗(とりうみ・こうたろう)/千葉県富津市生まれ。航空・旅行アナリスト、帝京大学理工学部航空宇宙工学科非常勤講師。文化放送「オトナカレッジ」に「トラベル学科」講師としてレギュラー出演中(毎週金曜日20時~)。著書に『That’s ANA マニュアル ANA 公式ガイドブック』『エアラインの攻防』など。1年間のフライト数は100以上。
※週刊ポスト2014年12月12日号