健康診断で誰もが気にする数値の“常識”に疑義を呈した週刊ポストの「総コレステロール250mg/dlまで健康体」報道は大きな反響を呼んでいる。
米国では1日300mgまでとされていた摂取制限には科学的根拠がないとして今春、撤廃される見込みとなった。厚労省も昨年、食事制限基準から目標値を削除。臨床医を中心とする日本の学会だけが鶏卵1個(コレステロール含有量252mg)の摂取すら許さない厳しい基準を設けている。
著書『盲導犬クイールの一生』(文藝春秋刊)が映画化されベストセラーとなった著述家・編集者の石黒謙吾氏は昨年受けた健康診断で、総コレステロールが259mg/dl、LDLが173mg/dlという結果だった。学会基準値でいえば「アウト」となる数値だ。
「ポストの記事を読んで、なるほど! と思いましたよ。何に対してでも薬はできる限り飲まずに健康管理するよう心がけてきましたが、基準値そのものを疑う発想はなかった。『LDLが基準値を超えている。このままでは血管が堰き止められる』と医師に説明されると、客観的な証拠を示されたものと理解していました。
体に痛みや悪い症状がないのに数値に踊らされて薬漬けになるなんてバカなことです。数字だけを見るのは危険だと指摘したポストの視点は非常に重要だと感じました」
摂取制限に意味がないとする最新の知見も衝撃的だった。石黒氏が続ける。
「大好物の卵のコレステロール含有量が多いと聞いて、昨年から食べないようにしていました。それが、体外から摂取されるのはコレステロールの2割に過ぎないとわかり、ホッとしています。ストレスから解放された気分です」
同様に喜びの声をあげるのは、ゆで卵好きで知られるタレントの板東英二氏だ。