テレビ番組を盛り上げることに一役買っているのが「ワイプ画面」だ。かつては矢口真里が「ワイプの女王」と呼ばれたが、今は「ワイプの新星」とも言うべき女優がいるというのだ。コラムニストのペリー荻野さんによる連載「ちゃんねる道中」の今回は、テレビの窓からこんにちは! ワイプ芸の達人列伝をお送りする。
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情報番組やワイドショーで欠かせないのが、司会者やコメンテイターの「ワイプ画面」。メイン画面の横のあのちっちゃい小窓である。サイズ的にほとんど映される人の顔で占められてしまうこのワイプだが、油断してはいけない。よく見ると、思わず「うまい!」と言いたくなる技を見せるタレント、文化人がいる。
もっとも手慣れた感じがするのが、『スッキリ!!』の加藤浩次。1年365日どこかでワイプに出ているような仕事ぶりである。この番組の白い四角のワイプに登場しても、「さすがですね~」「こんなカフェ、台湾にはあるよね」などと余裕たっぷり。他の出演者と気楽に話ながらリラックスムードを醸し出す。
同じくいい感じを出しているのが、尾木ママ。たとえば『モーニングバード』でジャッキー・チェンの赤裸々な半生記出版の話題で、ひょっとしてジャッキーのイメージダウン?と心配な雰囲気が漂う中、尾木ママはにこにことワイプに登場。
「もうね、60歳超えてくると、ありのままでいいと思えてきちゃうのよ」、自身も63歳で尾木ママとなり「流れに身を任せて…ふふふふ」とフォロー。こどもたちだけでなく、61歳のジャッキーまでも優しく見守ってますよ目線のワイプなのであった。
尾木ママのゆるモードとは対照的にかっちりしているのが『白熱ライブビビット』のコメンテイター、夜回り先生こと水谷修先生。黄色とピンクのビビットカラーのワイプ窓に水谷先生が映っただけで、どんな話題でも真剣モードに。この番組は、司会の真矢ミキもまだワイプに慣れていないせいか、あの小さなスペースで女優笑顔&カメラ目線になったりするので、ドキドキする。