また小麦粉関連の製品の値上げも続く。製パン大手の山崎製パンは、7月1日出荷分から「ロイヤルブレッド」「芳醇」などの食パン14品や、「薄皮つぶあんぱん」などの菓子パン107品を含む168品目を値上げする。
同じタイミングで、日本製粉や日清フーズは家庭用小麦粉の価格を改定。海外産の小麦は政府が国家貿易として一元的に輸入し、製粉企業や醤油メーカーなどに卸す仕組みとなっている。海外からの買い付け価格を基準に設定される政府の小麦売渡価格が3%引き上げられたのも大きな要因だ。
日本経済新聞社がまとめた飲食業調査では、2014年度に値上げをした外食企業は7割にのぼり、2015年度も価格を引き上げると半数近くが回答したという。実際、今年度に入ってから、モスバーガーやバーガーキングなどのファストフード店の値上げも相次いでいる。
日本の”食産業”は、長きに渡るデフレ下において食材原価、人件費、光熱費などを吸収してきた。だがここに来て「円安」など抗いようのない”外圧”にさらされ、さまざまな業種・業態で値上げに踏みきる動きが出てきた。2017年の消費税引き上げや、自社の取り扱い商品が軽減税率の対象となるか否かといった不安も大きい。もはや日本の”食産業”も、消費者の安売り要求に付き合ってばかりはいられない。