2016年にアメリカ大統領選挙がある。オバマが大統領となった7年間で、アメリカはどれほど凋落したのかについて、作家の落合信彦氏が解説する。
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次の大統領選はアメリカにとって大きな意味を持つ。オバマはこの7年間で、アメリカという大国をすっかり崩壊させてしまったからだ。まず、アメリカは世界の警察という役割を捨てた。
アメリカにも言い分がある。これまで世界の紛争地で戦ってきたが、中東のような場所では地元民が最初はアメリカのプレゼンスを喜んでアメリカ国旗を振りながら迎えた。しかし紛争が終わるとアメリカに対して出て行けという。
アメリカにとっては礼も言われず兵士を何人も死なせ、莫大なカネを使わされる。それにもかかわらず「ヤンキーゴーホーム」である。もうこれ以上やっていられないと、アメリカ国民が声をあげたのは当然かもしれない。
その結末が、中国やロシアの台頭である。アメリカがなくなってしまったら世界はどうなるのだろうか。
オバマは「富の再分配」を掲げ、社会保障への支出を増大させてきた。その結果はどうなったか。悲惨のひと言だ。貧困層は手厚い保護のぬるま湯に浸かって、いっそう怠惰になった。オバマが支持層に税金をバラ撒いた結果、多くの国民は生活費が天から降ってくるのを待つだけになってしまった。
その一方で、オバマは財源を捻出するために中産階級や富裕層、企業の負担を増大させた。オバマケア(医療保険改革)では、州によって違うが、これまでより年間2448ドル(約30万円)ほど負担が増えるケースが多い。1か月あたり204ドル(約2万5000円)だ。その分、消費は減ることになる。経済は大きな打撃を被った。大増税とオバマケアにより、経済を支える中産階級は激減し、44%に落ちてしまった。逆に格差は拡大した。