国内

下流老人にならないための防衛術 保険見直しで1000万円の差

 NHKで特集されたことや、関連書籍が売れるなど、「下流老人」の問題が話題だが、超高齢化社会の“徒花”ともいえるのが、人生設計を根幹から狂わせる「介護離職」だ。現在日本では年間10万人が親や配偶者の介護で離職を余儀なくされているという。そしてこの介護離職こそが、「老後破産」の引き金になるケースが多い。

 仕事を辞めると定期的な収入が途絶え、その後の生活は自分の貯金を切り崩したり、親の年金を頼りにすることになる。そうなると、介護される親だけでなく、その子供まで生活苦に陥る「親子共倒れ」のリスクが増す。『老後に破産する人、しない人』(中経出版)の著者でファイナンシャルプランナーの中村宏氏はこう語る。

「親や配偶者の介護に親身に取り組む人ほど、離職して介護に専念しようとします。ですが、仕事は絶対に辞めてはいけません。介護の担い手は第三者でもできますが、収入を得ることは家族にしかできないからです。

 たとえば、ショートステイなど自己負担が1~2割に抑えられる介護保険制度をフル活用して介護と仕事を両立すべきです。“親に申し訳ない”と思っても自宅介護が限界なら施設介護も検討すべき。介護費用はかかっても、仕事さえ続けていれば自分の収入を維持できるため、貯蓄の減少を抑えられます」(中村氏)

 介護離職のデメリットはそれだけではない。まずは介護離職するとそれだけ厚生年金の加入期間が短くなり、自分が将来受け取る年金も減る。

 介護が終わったらまた社会復帰しようと考える人は多いが、生命保険文化センター「平成24年度 生命保険に関する全国実態調査」の結果に見られるように介護期間は平均で4年9ヶ月に上る。復職のハードルは高く、そのまま無収入を続けなければいけない危険性もある。

 なかには介護休業などのサポート制度を独自に導入する企業もある。思い詰めて退職する前に職場に確認しよう。

「自治体のサポートも注目してほしい。安否確認や認知症高齢者の見守り、オムツの無料配給などを独自に行う自治体があります」(中村氏)

 生命保険文化センターの調査では、1世帯あたりの生命保険料は年間平均41万6000円に達する。40年間払い続ければ1700万円に達するが、逆にいえば、賢く選択することにより1000万円節約することもできる。

トピックス

クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
役者でタレントの山口良一さんが今も築地本願寺を訪れる理由とは…?(事務所提供)
《笑福亭笑瓶さんの月命日に今も必ず墓参り》俳優・山口良一(70)が2年半、毎月22日に築地本願寺で眠る亡き親友に手を合わせる理由
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月20日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン