ファイナンシャルプランナーの内藤眞弓さんは、「大前提として、リタイア後は保険料を払う余裕もないので、生命保険は不要」とした上でこう指摘する。
「単身世帯はいうまでもないですが、子供がすでに独立している世帯も養育費がかからないので高額な死亡保険は必要ありません。
そもそも死亡保険に入っていなくても夫が死亡したら遺族年金が受け取れるケースが多く、また、夫が会社員だった場合受け取る予定の厚生年金額の4分の3を妻が一生涯、受給できます。勤務先の企業から弔慰金や死亡退職金も遺族に支払われるので、まずはその保障内容を把握したうえで、どうしても足りなければ保険を検討すべきです」
夫が亡くなった場合、心配なのは残された住宅ローンだ。しかし、原則的にローン加入時に義務付けられる団体信用生命保険に加入していれば、返済者が死亡したらこの保険からローンが支払われる。そうした面からも生命保険を見直す必要がありそうだ。
最近、女性の加入者が増加している医療保険も要検討。
「日本には公的皆保険制度があって医療機関にかかっても患者負担は1~3割のみ。がんの手術などで医療費が高額になっても、国の『高額療養費制度』を使えば、所得により差はありますが、年収770万円以下の家庭では月に支払う医療費の上限が9万円ほどに抑えられます。ひとり約150万円の貯金があれば、万一の病気にも対処できるはずです。
しかも、高齢になればなるほど、保険料も高額化していきます。月に何万円も保険料を払うのであれば、それを貯金し、いざという時に備えておくのも手ではないでしょうか」(内藤さん)
※女性セブン2015年9月24日号