「一般的な常識が通用しないのが芸能界。そのなかで商品としてアイドルがいて、ファンの人は何枚もCDを買ったりしているのに、実は彼氏がいたとなったら(ファンは)腹立つじゃないですか。そういうことを避けるために、最初に(恋愛禁止の)約束をするんですよ。それを破ったわけだから、65万円という金額は別として、損害賠償を払うのは当然だと思います」(八幡氏)
芸能界は一般社会とは違うので、アイドルの恋愛禁止は決して人権侵害ではないと主張する八幡氏。この意見には同番組レギュラーのコラムニスト・勝谷誠彦氏も、
「一般常識の人権ということではなくて、芸能界というところでは(恋愛禁止も)当たり前なんだと思う。もともとは後ろ暗いところでコソコソって行われてきたもの(契約)だったのが、今回の裁判で明るみに出たのは良かったことだと思います」
と賛同した。また、八幡氏は、「恋愛禁止」の契約をいともたやすく破っていくアイドルに対し、怒りにも近い感情を露わにする。
「私も、後輩を一生懸命目をかけて育ててきたのに、ある日突然彼氏ができて“彼氏がアイドル活動に反対しているのでやめま~す”とか言って辞めていくんですよ。もう、“はぁ?”ってなるじゃないですか! そういうことが今のアイドル業界ではまかり通っているんですよ!」
さらに、アイドルの恋愛禁止が「人権問題」に発展することによるデメリットも指摘する。
「たとえば、5才とか6才の子が働いているのが芸能界。芸能以外の労働で子供が対価を得るというのは、ありえないじゃないですか。でも芸能界は、それを良しとしている時点で特殊なんですよ。それなのに、一般常識のものさしではかっていったら、芸能界がどんどん萎縮していくと思います。業界を知らない外部の人の文句ばかりを受け入れていくのは、おかしいと思います」(八幡氏)
歯に衣着せぬ意見を次々と展開していく八幡氏。「恋愛禁止」については、アイドルに対して同情するような意見も少なくないが、あくまでも芸能界という特殊な世界のなかでの出来事ということもあり、そう簡単に良し悪しを判別するのは難しそうだ。いずれにしろ、アイドルを運営する側の見解として、八幡氏の意見はかなり貴重なものだったことは間違いない。
協力■Ebisu言の葉