中国や北朝鮮のような一党独裁国家では、国家的行事の際に党幹部たちが並ぶ順番で序列をはかる。では日本の政治家、とりわけ「大臣の序列」はどう決められているのだろうか。ジャーナリスト・竹中英司氏が解説する。
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「閣議」は首相官邸4階の「閣議室」の大きな丸テーブルで行われる。その様子は非公開とされ撮影も禁止されていて、国民の目に触れることはない。その「閣議室」での席次は、総理大臣、官房長官に続き、総務相、法務省、外務省……と、国家行政組織法に列挙された順番、つまり「役所の序列」が反映されている。
それに対して、閣議室の手前にある「閣僚応接室」で行なわれる閣僚懇談会の席次のほうが各大臣の閣内での“実力序列”をより反映しているといえる。
写真のように安倍首相を真ん中に、向かって右隣(首相から見て“左大臣”)が政権ナンバー2の麻生副総理、左隣が甘利明・経済再生担当相で、石破茂・地方創生担当相は「序列4位」の位置に座っている。
こちらの席次をめぐっては閣僚のさや当ても行なわれる。村山内閣の文部大臣や小泉内閣の農水大臣など3回の閣僚経験がある島村宜伸・元代議士が語る。
「応接室の席次は当選回数など政治家としての格を考慮して総理が決める。閣議の丸テーブルの席は慣例だから異論は出ないが、応接室の席次ではかつてある大臣が“どうしてオレがここなんだ”と不満を漏らすのを聞いたことがある」
最近では、2015年3月の閣僚懇談会で席次が見直され、スキャンダルで辞任した西川公也・農水相の後任に林芳正氏が入閣したことで高市早苗・総務相がひとつ下座の席になった。高市氏が「私の席順が上座からみて下がったけど、当選回数順なの?」と疑問を口にしたところ、菅義偉・官房長官が「いえ、能力順です」と冗談で応えて大爆笑になったエピソードがある。それほど政治家にとって閣僚応接室の席次は気になるようだ。
興味深いのは、公明党の大臣の席次だ。