内閣改造前、太田昭宏・前国土交通相(当選7回)は中谷元・防衛相(当選9回)より上の「序列5位」の席を割り当てられていた。今回の改造では主要閣僚が留任したため、閣僚応接室での上位の席次の顔ぶれはほとんど変わっていないが、太田氏の後任の石井啓一・国土交通相(当選8回)は当選回数が太田氏より多いにもかかわらず、中谷氏より下「序列7位」の席に“格下げ”されている。
「席次は当選回数だけでなく、大臣在任期間も考慮される。太田氏は中谷氏より大臣在任期間が長かった」(官邸筋)
という理由とされているが、公明党としては面白くないだろう。もっとも、大臣序列にはもっとはっきりした順位もある。
総理大臣が外遊中や、死亡するなど不測の事態が起きたときに「内閣総理大臣臨時代理」を務める順番を5位まであらかじめ指名しているからだ。現在の第1順位は麻生副総理、第2位は菅官房長官、第3位が甘利大臣、第4位は石破大臣、第5位は岸田文雄・外相だ。閣僚応接室の序列の上位は、官房長官を除けばこの順位が反映されていることがわかる。
ちなみに慣例では官房長官が臨時代理1位を務めることになっており、特別にそれより上位に位置づけられて臨時代理1位になる大臣を「副総理」と呼ぶ。副総理という正式な役職はない。
※SAPIO2016年1月号