芸能

川島なお美による「迷医」の見分け方 患者の目を見ないなど

「“迷医”の見分け方」についても語った著書が発売

 9月に胆管がんで亡くなった川島なお美(享年54)の手記が出版された。『カーテンコール』(新潮社)と題されたその手記には、2013年8月に胆管がんを告知されて以降の闘病生活が克明に記されている。

 生前綴られたその闘病記には、「絶対に自分で治す」という強い覚悟が焼きついていた。がんの告知から2年。膨大な書物でがんを学び、セカンドオピニオンに東奔西走し、夫・鎧塚俊彦氏への愛と感謝を持って最後まで諦めずに生きた「女優・川島なお美」の素顔がそこにあった。

 川島が最初に訪れたのは、都内の有名大学病院だった。しかし、舞台出演を優先したいという川島の意向を無視して外科手術をすすめ、拒否すると、抗がん剤治療を提案された。

《何が何でも切りたくてウズウズしている》

《この病院には二度と戻って来ない》

 2番目に訪れたのは、『がん放置療法』で有名な医師。

「何もしないで大丈夫」

 そんな言葉を期待していた川島だが、診察結果は予想外のものだった。

《「ほうっておいたらいずれ黄疸症状が出て肝機能不全になる。手術しても生存率は悪く、死んじゃうよ」―─言葉が出ませんでした》

 電流で病巣を焼くラジオ波焼灼術の専門医や、陽子線治療の施設も訪ねたが、いずれも「胆管がんにこの治療法は不適応」の一言で“お見合い”は失敗した。

 気づけば秋も深まる10月末。最後の望みを持って訪れたのは、都内のはずれにある大学病院だった。肝臓がんの腹腔鏡手術のパイオニアであるK教授に、川島は率直な意見を求めた。

《現れた消化器外科のK先生は物腰柔らかそうな初老の紳士。「データはすでに拝見していますよ」穏やかな声に、緊張が解けていきます。そして実に丁寧に、いろんな可能性を示唆してくれました(中略)。こちらの不安を包み込んでくれるような聞き方、話し方。医者とはこうあるべきではと思うのです》

 5人の医師を訪れた川島が、初めて素直に心を開くことができたのがK教授だった。彼女はこの先生に命を預けることを決心。2014年1月、同病院で腹腔鏡手術を受けた。がん告知から5か月。当初1.7cmだった腫瘍は、すでに3cmにまで成長していた。

関連記事

トピックス

大谷家の別荘が問題に直面している(写真/AFLO)
大谷翔平も購入したハワイ豪華リゾートビジネスが問題に直面 14区画中8区画が売れ残り、建設予定地はまるで荒野のような状態 トランプ大統領の影響も
女性セブン
休場が続く横綱・豊昇龍
「3場所で金星8個配給…」それでも横綱・豊昇龍に相撲協会が引退勧告できない複雑な事情 やくみつる氏は「“大豊時代”は、ちょっとイメージしづらい」
週刊ポスト
NYの高層ビルで銃撃事件が発生した(右・時事通信フォト)
《5人死亡のNYビル乱射》小室圭さん勤務先からわずか0.6マイル…タムラ容疑者が大型ライフルを手にビルに侵入「日系駐在員も多く勤務するエリア」
NEWSポストセブン
犯行の理由は「〈あいつウザい〉などのメッセージに腹を立てたから」だという
【新証言】「右手の“ククリナイフ”をタオルで隠し…」犯行数日前に見せた山下市郎容疑者の不審な行動と後輩への“オラつきエピソード”《浜松市・ガールズバー店員刺殺事件》
NEWSポストセブン
那須で静養された愛子さま(2025年7月、栃木県・那須郡。撮影/JMPA) 
《「愛子天皇」に真っ向から“NO”》戦後の皇室が築いた象徴天皇制を否定する参政党が躍進、皇室典範改正の議論は「振り出しに戻りかねない」状況 
女性セブン
女優の真木よう子と、事実婚のパートナーである俳優・葛飾心(インスタグラムより)
《事実婚のパートナー》「全方向美少年〜」真木よう子、第2子の父親は16歳下俳優・葛飾心(26) 岩盤浴デートで“匂わせ”撮影のラブラブ過去
NEWSポストセブン
優勝した琴勝峰(右)。大関・琴櫻(左)がパレードの旗手を務め大きな注目を集めた
名古屋場所「琴勝峰の優勝」「パレード旗手・琴櫻」でかき消された白鵬の存在感 新入幕・草野の躍進やトヨタのパレードカー問題が注目されず協会サイドに好都合な展開に
NEWSポストセブン
次期総裁候補の(左から)岸田文雄氏、小泉進次郎氏、高市早苗氏(時事通信フォト)
《政界大再編》自民党新総裁・有力候補は岸田文雄氏、小泉進次郎氏、高市早苗氏 高市氏なら参政党と国民民主党との「反財務省連合」の可能性 側近が語る“高市政権”構想
週刊ポスト
人気中華料理店『生香園』の本館が閉店することがわかった
《創業54年中華料理店「生香園」本館が8月末で閉店》『料理の鉄人』周富輝氏が「俺はいい加減な人間じゃない」明かした営業終了の“意外な理由”【食品偽装疑惑から1年】
NEWSポストセブン
お気に入りの服を“鬼リピ”中の佳子さま(共同通信)
《佳子さまが“鬼リピ”されているファッション》御殿場でまた“水玉ワンピース”をご着用…「まさに等身大」と専門家が愛用ブランドを絶賛する理由
NEWSポストセブン
筑波大学で学生生活を送る悠仁さま(時事通信フォト)
【悠仁さま通学の筑波大学で異変】トイレ大改修計画の真相 発注規模は「3500万円未満」…大学は「在籍とは関係ない」と回答
NEWSポストセブン
2025年7月場所
名古屋場所「溜席の着物美人」がピンクワンピースで登場 「暑いですから…」「新会場はクーラーがよく効いている」 千秋楽は「ブルーの着物で観戦予定」と明かす
NEWSポストセブン