年末にあたり、NEWSポストセブンが今年1年間で提供してきたオリジナルコラムのなかから、筆者が推す「俺のベスト(神)コラム」をご紹介しよう。コラムを読んでこの1年を振り返るもよし、来年を考えるもよし。ご一読をお勧めする。
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まずは社会派的な観点からのコラムを書き続けてきたコラムニスト・オバタカズユキ氏が、戦後70年目の8月15日に寄せたこの1本を推す。
◎『卑怯者の島』と『総員玉砕せよ!』の異なる読後感について
https://www.news-postseven.com/archives/20150815_342519.html
小林よしのり氏と水木しげる氏の戦記漫画を比べた論評である。オバタ氏はこの前にも水木氏の本を取り上げていた。
「コラムがきっかけで『本を買った』という声を幾つも聞けたた。水木しげる氏の没年に2回も氏を取り上げることができて良かった」(オバタ氏)
時代が水木しげる氏を欲していたということなのだろか。それに気づくオバタ氏の嗅覚も鋭い。
就活関係をテーマにすることが多い千葉商科大学国際教養学部専任講師の常見陽平氏のコラムで取り上げたこの言葉は、3月に今年のキーワードを取り上げた。
◎内定者に就活終了求める「おわハラ」の最新手口を専門家解説
https://www.news-postseven.com/archives/20150322_310915.html
「『おわハラ』という言葉が出始めの頃に取り上げ、ヤフトピにも載りました。就活時期繰り下げによる混乱によるこの動きをいち早く取り上げ、問題提起となり、その後の報道ラッシュにもつながりました」(常見氏)
食文化を巡るコラムを書いてきた編集・ライターの松浦達也氏は、11月シーズンの「秋サバ」に絡めて、こんな問題提起をした。
◎秋を彩る真サバに乱獲の影響 ノルウェー産サバは品質が向上
https://www.news-postseven.com/archives/20151122_365521.html
「ノルウェーのタイセイヨウサバは旬の時期のみの漁で型のいいもののみを水揚げ。かたや日本の真サバは我先にと取りまくって稚魚・幼魚までさらってしまう。結果、日本国内を流通するサバの50%以上がノルウェー産となり、身質の評判でも真サバは遅れを取る始末。ただ『うまいうまい』だけじゃいけない時期が来てる感がそこかしこに」(松浦氏)
科学技術の日本神話もだいぶ怪しくなってきたいま、食べ物の日本神話も危ういのかも知れない。