ビジネス

ベストカー2015「ロードスターRSは世界の名品入り」との評価

スバルの新型エクシーガは国産屈指のSUVに生まれ変わった


●第3位/エクシーガ クロスオーバー7(スバル)

 クロスオーバーSUVの「エクシーガ クロスオーバー7」。このモデルは完全な新モデルではなく、原型は2008年にデビューした7人乗りワゴン「エクシーガ」なのだが、シャシーの大幅改造で最低地上高をちょっとしたオフロードくらいなら十分走れるくらいに上げ、内外装のデザインをリフレッシュしたクロスオーバー7は、国産屈指と言っていい魅力的なSUVに、文字通り生まれ変わった。

 最大の美点は商品力と価格の絶妙なマッチングだ。クロスオーバー7のクルマのシャシーのおおもとは2003年にデビューした先々代「レガシィ」のもので、基本設計は古い。が、実際に乗ってみると、路面からの衝撃の吸収、ボディが揺すられた後の収束、高速直進性など、ロングツアラーに要求されるファクターのフィーリングがいちいち素晴らしく、なかでも乗り味の滑らかさについては設計がはるかに新しい「アウトバック」を完全に凌駕しているようにすら感じられた。

 スバルの開発陣は、こんなことを語っている。

「BG系(先々代レガシィの型式)は現代からみれば無駄だらけの設計だったのですが、それだけに各所に余裕がある。クロスオーバー7の乗り味をここまで持ってくることができたのは、もちろんシャシーが熟成し切っているというのもありますが、そればかりではありません。

 軽量化を限界まで追求する今日の設計でも、きちんと作るべきところは作っていて、数字上は何の問題もないはずなのですが、不思議なことに乗ると違いが出る。その違いは何から生ずるものなのか、無駄と思っているものが本当に無駄なのかを解明してデジタル設計に落とし込めるようになるのが今のわれわれの目標です」

 今後のクルマづくりのさらなる進化が楽しみになる言葉だ。素晴らしいのは乗り味だけではない。ルーフレールやプロテクター装着で俄然ワイルドさを増したエクステリア、オレンジの素材を多用することで明るいムードになったインテリアも魅力。旧世代とはいえ先進安全システムのアイサイト2も標準装備だ。

 この2.4リットル級AWD(4輪駆動)のクロスオーバーSUVの価格が税込み274万5000円というのは、バリューフォーマネーとしか言いようがない。技術の先進性ばかりがクルマの魅力ではないということを感じさせてくれたモデルだった。

撮影■井元康一郎

関連キーワード

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン