相談役に就いて間もない2005年には、「愛知万博」が開催された。当時、愛知県や名古屋市の世界的な知名度は低かったが、須田相談役は地元経済団体に働きかけて積極的に観光客誘致に努めた。今年5月の伊勢志摩サミットも同様で、今から魅力を提案し、観光客を呼び込む準備をする必要がある。
昨年開通し、話題になった「北陸新幹線」のブームも、いつまで続くかはこれからの工夫次第だ。
「2年くらいでブームは終わります。でも、1972年に山陽新幹線が岡山まで開通した時、岡山県内の観光客は3倍に増え、そのブームがその後も数年間継続した。
岡山では道路や在来線を整備して、街に降り立ってからの移動も便利にするとともに、観光客を呼ぶための『街づくり』を地元が積極的に行ないました。だからこそ新幹線が博多まで伸びた時も、単なる中間駅にならず、むしろ九州からのお客が増えた。こうしたモデルを各地方都市は参考にするべきです」
※週刊ポスト2016年1月15・22日号