長らく韓国企業のコンサルティングを手がけ、韓国の大学の教壇にも立ってきた経験を持つ私が考える提言は、日本をはじめ周辺国に対する偏見を捨て、学べるもの、利用できるものをとことん吸収する。答えのない今の時代に対応するために記憶偏重の教育を改革する。性別や年齢などに対する偏見をなくし、コネ社会・縁故主義を排していく。そして、いつも暗い顔で不機嫌に見える朴槿恵大統領が、もっと明るく振る舞う──というものだ。
今や日本人の韓国に対する感情は悪化する一方で、一世を風靡した韓流ドラマやK-POPのブームも終焉してしまった。しかし、日本に対する韓国の態度が変わってくれば、日韓が切磋琢磨しながら「ウィンウィン(Win-Win)」の関係になることは可能だと思う。ただし、それは建前やうわべだけの友好ではなく、苦言や忠告も遠慮なく言い合える成熟した関係でなくてはならない。それこそが、「最終的かつ不可逆的な解決」というものだろう。
※週刊ポスト2016年1月29日号