ビジネス

【日本株週間見通し】日銀追加緩和は4月か 当面は慎重姿勢

 投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の1月18日~1月22日の動きを振り返りつつ、1月25日~1月29日の相場見通しを解説する。

 * * *
 先週の日経平均は下落。中国経済のほか、原油先物価格の先行きに対する警戒感が根強く、リスクオフの流れが強まる中、21日には一時16017.26円と16000円割れ寸前まで下落する場面もみられた。大阪225先物は21日の日中取引で16000円を下回り、22日のナイトセッションでは15780円を付ける波乱の展開に。しかし、21日の欧州中央銀行(ECB)理事会後の会見でドラギ総裁は、3月にも追加緩和に踏み切ることを示唆。欧州との連携から日本についても追加緩和期待が高まり、週末の日経平均は大幅に上昇。

 また、中東歴訪中の中国の習近平国家主席は、中東諸国に対しインフラ整備などを目的に約150億ドルの融資を実施すると表明。中国が中東問題に積極的に関与する方針が伝えられる中、原油先物価格の底入れが意識される展開となったことも買い安心感につながった。売り持ちを増やしていた海外勢の買戻しも巻き込み、大引けにかけて17000円に迫る場面もみられた。

 日経平均は足元で値動きの荒い相場展開が続いている。日欧の金融緩和期待と原油相場の底入れ感から、ショートカバーが強まっている。ただし、今週の金融政策決定会合での追加緩和を予想する向きはなく、早くとも4月との見方がコンセンサスとみられる。日経平均は大幅に反発したが、直近2日間の下落局面で押し目を積極的に拾う動きは限られており、本日の上昇でセンチメントが大きく改善したというよりは、ここからの一段高でようやく改善をみせてくると考えられる。ショートポジションは禁物だが、慎重姿勢は今しばらく続こう。

 また、甘利経済再生担当相は、金銭疑惑問題について1週間以内に事実関係を明らかにしたいと述べている。与党内からも進退論が浮上していることもあり、週末にかけての不安要因になろう。甘利大臣といえば「13年3月末に13000円」、「株価が14800円の壁を突破できず資産効果が止まっている」発言など、市場関係者の間では、“甘利越え”といったフレーズでマーケットに刺激を与えてきた。辞任ともなればアベノミクスへの期待感も後退する可能性があり、政局混迷から海外勢による売り圧力が警戒されやすい。

関連キーワード

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン