国内

米民主党・サンダース氏のような政治家は今の日本にこそ必要

 アメリカ大統領選挙の民主党予備選挙で支持を急拡大させているバーニー・サンダース上院議員は、「民主社会主義者」と自ら名乗り、格差是正を訴えて若者層からの支持が大きい。経営コンサルタントの大前研一氏は、今の日本こそ彼のような政治家が現われれば、政権奪取も可能だろうという。

 * * *
 アメリカ大統領選挙で異変が起きている。民主党の予備選挙で当初は“無印”だったサンダース上院議員が支持を急拡大して“本命”とされてきたヒラリー・クリントン前国務長官に肉薄し、共和党の予備選挙でも不動産王ドナルド・トランプ氏が依然として高い支持率を維持しているのだ。大統領選の行方は予断を許さないが、私が注目したいのはサンダース氏躍進の意味だ。

 サンダース氏は候補者の中でも最高齢の74歳だが、若者から圧倒的な支持を集めている。テレビ局の出口調査によると「30歳以下の支持率が85%」(ニューハンプシャー州予備選)と、クリントン氏に大差をつけた。

「民主社会主義者」を自任するサンダース氏は、若者層に向けて「君たちは虐げられている」「教育を受けるため、多額の借金を強いられる」「1%の金持ちのためだけでなく、全国民のために働く政府が必要だ」「億万長者の金は要らない」などと平易な言葉で格差是正を訴え、ウォール街などの富裕層と政治の癒着を批判。

 具体的な政策としては「公立大学の授業料無償化」「大手金融機関の解体」「国民皆保険制度の導入」などを提唱している。こうした主張が若者の気持ちを文字通り“わしづかみ”にしているのだ。

 実は、今の日本にこそサンダース氏のような政治家が必要だ。なぜなら、これまで日本では若い人ほど投票率が低いからである。今夏の参議院選挙から選挙権年齢が18歳以上に引き下げられるが、もしサンダース氏のように若者層から熱狂的な支持を集めて彼らを投票所に駆り出すことができる政治家が登場したら、圧勝するに違いない。

関連記事

トピックス

氷川きよしが紅白に出場するのは24回目(産経新聞社)
「胸中の先生と常に一緒なのです」氷川きよしが初めて告白した“幼少期のいじめ体験”と“池田大作氏一周忌への思い”
女性セブン
公益通報されていた世耕弘成・前党参院幹事長(時事通信フォト)
【スクープ】世耕弘成氏、自らが理事長を務める近畿大学で公益通報されていた 教職員組合が「大学を自身の政治活動に利用、私物化している」と告発
週刊ポスト
阪神西宮駅前の演説もすさまじい人だかりだった(11月4日)
「立花さんのYouTubeでテレビのウソがわかった」「メディアは一切信用しない」兵庫県知事選、斎藤元彦氏の応援団に“1か月密着取材” 見えてきた勝利の背景
週刊ポスト
多くのドラマや映画で活躍する俳優の菅田将暉
菅田将暉の七光りやコネではない!「けんと」「新樹」弟2人が快進撃を見せる必然
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
NEWSポストセブン