栗戦書氏も他の会合で同様の発言を繰り返し、「絶対に習主席に忠誠を誓おう」などと檄を飛ばしている。これに呼応するかのように、中国本土の31の省・直轄市・自治区のうち、すでに約20人のトップが習氏を「核心」として、習氏への忠誠を表明している。
これについて、前出の章氏は米国を拠点にする中国問題専門の華字ニュースサイト「博聞新聞網」で次のように指摘する。
「通常、政治局常務委員会で従業問題を決定する際は多数決だったが、習氏が核心となることで、習氏の権限が大きくなった。習氏が拒否権を持ち、その一存ですべてが決まるという毛沢東主席並みの権力の集中を目指しているといえる。
これは裏返して見れば、多数決では習氏が必ずしも優位ではない状況が現出していることであり、まだ習氏の権力基盤が盤石ではないことを示している。特に軍内ではこの傾向が強い。習氏への権限強化は強い反発があるとみられ、あまりに焦り過ぎると足元をすくわれかねないのではないか」