その資料は6人の証言で作成されており、うち2人がオランダの神父、2人が中国人でしたが、いずれも女性の要求については一切触れられていませんでした。
女性の要求について証言したのは1人の神父のみでした。それさえも伝聞に過ぎません。伝聞では「日本兵がやってきて女性を要求」し、宣教師が拒否すると「戻ってきて宣教師たちを誘拐し、後に殺害した」となっていますが、「200人」という数字は出てきません。つまり、200人の女性を要求したというのは捏造と考えてよいのです。
それどころか資料の中には日本軍が使っていない「ダムダム弾10発」と「中国刀一振り」が残されていたとの証言のほか、強盗が「完璧な中国語を喋っていた」との証言も複数ありました。
中国が、捏造情報によって日本を世界の悪者に仕立て上げようとしていることは、日本人が常に頭に刻み込んでおかなければならないことだと考えます。
【PROFILE】新潟県長岡市出身。ハワイ州立大学卒業。元日本テレビ「きょうの出来事」キャスター。1995年、『エイズ犯罪 血友病患者の悲劇』で大宅賞受賞。
※SAPIO2016年4月号