3月28日。アメリカのマサチューセッツ州はボストンで『フィギュアスケート世界選手権2016』がはじまった。昨年は銀に終わった羽生結弦はどうなる? 浅田真央の復活はあるのか? そんな中!
最近の日本では“スケ女=スケジョ”と呼ばれるスケートマニアの女性がますます増えている。この手の女性にモテるにはなんといっても“スケートに詳しくなる”ことなんだが、なにしろ向こうはスケ女っていうくらいで、スケート関連の知識に関しては、こっちが付け焼き刃で挑んでもそうそう勝てるもんじゃない。
そんな中、知っているだろうか? 浅田真央が今シーズンからショートプログラムで採用している楽曲名を? 『素敵なあなた』……もともとはアンドリュース・シスターズが1930年代に歌って大ヒットしたスタンダードジャズの名曲である。
フィギュアに使われる曲のジャンルといえば1にクラシック、2にオペラ、3にミュージカル及び映画音楽と相場は決まっているが、実はその次に位置するのがジャズ!! しかしスケ女はクラシックとオペラあたりまでは知識としてカバーしているのだが、ジャズに関してはノーマークなのが実態だ!
となると今、スケ女に一番モテるには、スケ女の知識のスキマであるジャズウンチクしかないという、もう論理的になんの欠点もない話になってくるのだ!
「真央ちゃんの『素敵なあなた』だけど、この曲ってさ……」
スケ女は、このセリフ一発で興味を持ってくるだろう。そしてこの『素敵なあなた』は、4月19日創刊のCDつきマガジン新シリーズ『JAZZ VOCAL COLLECTION』(小学館)第1号に収録されているのだ! そこに解説されているウンチクを話したらどうだ?
「元々は哀感が特徴のユダヤ・ミュージックなんだよね。哀愁ユダヤ音楽といえばミュージカル『屋根の上のヴァイオリン弾き』の名曲『サンライズ・サンセット』が有名だね。『素敵なあなた』の原題で、曲中で繰り返し歌われる“バイ・ミー・ビスティ・シェーン:Bei Mir Bistu Shein”という詞は、ドイツの方言の一種で、ユダヤ人が使う言葉『イディッシュ語』なんだ」
ちなみに今のセリフは本当に『JAZZ VOCAL COLLECTION』第1号の文章を口調代えて書いただけです。しかし、この時点でジャス女の目はすでにトロ~ンとなっているであろう、論理的に。このCDつきマガジン丸パクリのセリフはさらに続く。
「その『イディッシュ語』を訳せば、その意味は……“私にとってあなたは美しい”……」
スケ女がオチる瞬間である。