さらにスケートとジャズの関連の話はいくらでもある。
「『素敵なあなた』はエラ・フィッツジェラルドが唄ったヴァージョンも有名だね?」
──エ!? エラ・フィッツ…??
「エラ・フィッツジェルァ~ルダッ!」
ここらはハードヴップで発音したい。
「エラ・フィッツジェルァ~ルダッといえば、昨年の世界選手権に出場したスイスのイブリーン・ブルナー選手も、エラの歌ったデューク・エリントンの『デュークス・プレース』をショートに使用してるね」
──フィギュアの曲目にジャズって多いのね?
「浅田真央も昔のエキシビションにはルイ・プリマの『シング・シング・シング』を使ってたしね」
ここらからはマシンガントークならぬ8ビートトークで息をつかせぬフィギィアとジャズの関連を話し続けたい。
「『シング・シング・シング』は、羽生選手も2007~2008年シーズンのショートに使用してたよ。このスイングジャズの名曲は、本田武史もジェフリー・バトルもレイチェル・フラットも使ってたしね。
羽生といえば、2014年グラプリシリーズ中国大会で、練習中に衝突された中国のハン・ヤンが、そのシーズンのフリーの曲目に使ってたのが、スタンダードジャズの大ヒット曲『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』。この曲はフランク・シナトラが唄って大ヒットしたけれど、フランクシ・シナトラの娘のナンシー・シナトラのヒット曲『ディーズ・ブーツ・アー・メイド・フォー・ウォーキン』は、今注目の本田真凜がエキシビションで使ってる」
この時点ですでにスケ女、4度ほどオチている。スケ女オトすにゃフィギュアの曲目に使われるジャズを、それも使われる可能性の高いヴォーカル入りのジャズの知識を高めるのが効果的。男なら新創刊のCDつきマガジン『JAZZ VOCAL COLLECTION』買って勉強しとけ!
文■カーツさとう