私が人間関係で最も大切にしていることは、感謝の気持ちを忘れないでいることです。手を貸してくれたり、貴重な情報を伝えてくれた時は、すぐにお礼状を出しましょう。格式張ったものではなくても、メッセージカードでもいいでしょう。時間を置かず、すぐに感謝の気持ちを伝えることが大切です。
若い人はメールのやり取りで済ませることが多いのでしょうが、私はなるべくお礼状は直筆で書くようにしています。あらかじめ切手を貼ったカードやはがきをバッグの中に入れておけば、外出先で時間が空いた時にさっと書いてそのまま投函できます。さほど親しくないかたでも、お礼状をきっかけにお互いの距離がぐっと縮まります。
そして、助けてもらったことで新しい進展があった時も、忘れずに報告します。形だけの「ありがとうございました」という言葉よりも、「おかげさまで、事態がこんなふうに発展しました」と具体的に伝えることで、先方に喜んでもらえるからです。
反対に人を手助けする立場になることもあるでしょう。その場合は、感謝の言葉やお礼がなくても腹を立てないこと。人間は、自分がやってあげたことは過大に、やってもらったことは過小に評価する傾向があります。「あんなにやってあげたのに…」と愚痴をこぼすのは、みっともないし、運気にもマイナスです。
それに、ある程度の年齢になったら見返りを期待せず、若い世代の手助けをするのが、この世に生かされている者の義務だと思います。誰にだって、礼儀を知らず失礼なことをしてしまった若い頃の苦い思い出があるはずですから。
※女性セブン2016年4月21日号