また、インスリン抵抗性になると血中の中性脂肪や尿酸値が上がりやすくなり、高脂血症や痛風のリスクも高まる。さらに重症の乾癬では、非アルコール性脂肪肝を併発し、肝炎、肝硬変のリスクが高まるという研究結果もある。
「乾癬の治療は、塗り薬、飲み薬、光線療法などを組み合わせて行ないます。近年は炎症物質TNF-αやIL-12/23、IL-17の働きを阻害する生物学的製剤が保険承認され、効果を上げています。
しかし、若年発症し、20代で関節炎などの併存疾患を併発した症例では、40代を過ぎて生物学的製剤を投与しても、十分な効果が得られないことがあります。特に重症例では、早期の投与がポイントとなります」(多田准教授)
肥満は、脂肪細胞が炎症を起こしている状態といわれ、減量だけで乾癬の症状が軽減した例もあり、肥満の乾癬患者はダイエットも重要な治療の一つだ。
乾癬の皮膚症状のみならず、全身的併存疾患の早期発見と治療のためにも、他の診療科との連携が必須である。
■取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2016年4月15日号