広島県在住の看護師、松田智恵美さん(57才)は、50才のとき、レーザーのシミ消しをした。しばらく顔にやけどのような跡がいくつかできていた時に出席した法事でのことが忘れられない。
「私の顔の異変が話題になって、この治療がいくらかかるかも聞かれ、全部、正直に答えたことがよかったのか、悪かったのか。誰かが『結局、整形の一種でしょ?』と言った途端、『そんなお金があったら子供に残したい』だの『そこまでして若く見せたいってことでしょ?』だの、『私ならただでもやらない』だの、『火事場で火の粉を浴びたみたいでかわいそう』だの、みんな言いたい放題。
でも、そのとき、いちばん口汚くののしっていた従姉妹が、後日、顔写真をメールしてと連絡してきたんです。 すっかりシミが消えていたんですけど、その写真を送ったら、病院教えてって。なら、最初からそう言えばいいのにっ!」
すっかり市民権を得た美容整形だが、金銭面や気持ちの面では、確かに“美容格差”が存在するようだ。
美容・医療ジャーナリストの海野由利子さんが言う。
「環境の違いは大きいですよね。例えば地方都市でも大きなデパートがあれば化粧品もいろんなブランドのものが手に入りますが、国産の5つか6つのメーカーしか近所では手に入らないし、見たことがないという場所もあると思うんです。
美容医療も同じで、情報はネットや雑誌で見て知ってはいるけれど、美容クリニックを見たことがないとか、美容医療の経験者に会ったことがないという環境なら、美容医療を体験することのハードルは高くなるでしょうね」
※女性セブン2016年5月5日号