安倍晋三首相の頭の中は、サミットという晴れ舞台のことでいっぱいのようだが、消費増税から熊本地震まで問題は山積しており、浮ついているヒマなどないはず。
そこで立ち上がったのが、政界大物OBによる我らが老人党。“新人党員”も参戦し、総勢7人による“爺7(ジイセブン)”サミットとなった。メンバーは以下の通り。
●村上正邦氏(83/自民党参議院議員会長などを歴任)
●戸田邦司氏(81/東北運輸局長を経て新進党から出馬)
●二見伸明氏(81/元公明党副委員長、運輸大臣などを歴任)
●平野貞夫氏(80/元自由党副幹事長)
●山口敏夫氏(75/新自由クラブなどに所属。元労働大臣)
●筆坂秀世氏(68/日本共産党政策委員長などを歴任)
●東祥三氏(64/国民の生活が第一幹事長などを歴任)
合計年齢532歳の重鎮が大激論した“爺7サミット”の一部を紹介しよう。
戸田:私はアベノミクスという得体の知れないものには疑問を持っています。日本経済が直面している問題を解決するための政策は何もないんですよ。風が吹けば桶屋が儲かるぐらいの話に過ぎない。
軽減税率にしても、本質論からはずれている。欧州では食料品の税率は高いが、通常、物品税はゼロか半分。北欧では、住宅購入の消費税はゼロで、固定資産税もない。日本の軽減税率論は形だけ真似ただけで、確固たる信念がない。
東:アベノミクスの第一の矢、異次元緩和というのは、ルビコン川を渡ったんですよ。普通ならやらないことをやって、円安に振れたでしょ、株高になったでしょという話で、それはそれで立派な金融経済政策ですよ。
筆坂:他に方法があるかといえば、ないんです。アベノミクス批判をしている野党側にも、対案がない。なぜかって、いまの日本経済に成長なんて無理だから。
村上:結局、政界にカリスマがいなくなったんだよ。存在感があるのが安倍さんだけだから、アベノミクスもすごい政策のように思われているだけなんだよ。
筆坂:ねぇ村上さん、そろそろ平野先生にしゃべらせてあげてよ(笑い)。
平野:そうだよ。私に発言させなくて週刊ポスト合併号が売れるのか?(笑い)
最初にこの場を借りてお詫びしたいことがありまして、山口さんが石田博英先生(元内閣官房長官)の書生をされていたころに「珍念」というあだ名をつけたのは私です(笑い)。
山口:紅顔の美少年だったからな(とニヤリ)。