「たとえば糖尿病を患っていてインスリン注射が必要な方の場合、認知症が進んで自己注射ができなくなるかもしれないので、看護師が24時間常駐する施設を優先して紹介したほうがいい。
認知症の方には専門的なケアの教育を受けた職員のいる施設を、がんを患っている方なら、先のことを考えて緩和ケアに優れた施設をご提案することもあります。現時点のご要望をうかがうのはもちろん、将来のことも考えて、一緒に施設を絞り込んでいきます」(同前)
東京都にある紹介業者・長寿の窓口の近藤一郎代表は、「ご家族の希望も大切」と語る。
「やはり、“お見舞いに行きやすい場所の施設がいい”というリクエストが多いので、エリアを限定して複数の候補を挙げ、同行見学をしながら絞り込んでいきます。
入居後も仕事は終わりません。こちらから連絡して、困り事がないか確認しています。施設の方に直接伝えにくい要望も、我々紹介業者には気軽に話していただけることがある。それを適切に施設側に伝えたりして、入居後も橋渡し役を続けられるのが理想の相談員の姿と考えています」
※週刊ポスト2016年5月27日号