●見学に必ず同行するか
いざ老人ホームを見学するという時に、普通は何に注意して見ればいいのかよくわからない。
「見学の際にはスタッフの服装や挨拶、言葉遣いなどちょっとしたところに施設の善し悪しが現われます。“素人”がなかなか気付きにくいところですから、相談員が同行して解説してくれることに意味があります。ところが紹介業者の中にはネット上で資料請求し、それを渡して終わり、というところもあります」
●施設の「マイナス面」を提示するか
“いいところばかり説明されると不安になる”というちょっと天邪鬼な感覚も、老人ホーム選びでは大事になる。
「どんな施設だっていいところばかりではありません。『施設長はちょっとぶっきらぼうで話しづらいところがあるけど、利用者目線に立った熱心な人』といったように、マイナスに取られるかもしれない部分まで説明して、入居希望者の判断に委ねる。そういう相談員のほうが誠実といえます。
そもそも、『いい/悪い』は人によって異なるものです。段差の多い家に住み慣れた人が突然バリアフリーの施設に入ると、逆に転倒してしまうこともあるくらいですから」
利用者側は老人ホーム紹介業者に手数料を支払う必要はない。電話の問い合わせでさえ、フリーダイヤルに設定している業者が多い。だからこそ、紹介業者とやり取りして不安な点があれば、別の業者に依頼しなおせばいいだけのこと。信頼できる紹介業者と出会うことが、良いホーム探しの近道となる。
※週刊ポスト2016年5月27日号