自分が社会人としてのキャリアを積むうちに、世の中の常識や価値観が変わってしまい、どう対処すればいいかわかりかねているというのも、50オトコを語る上でのキーワードだ。
例えば1989年に日本で初めてセクハラ裁判が行われ、その後本格的にこの言葉が世の中に浸透してきた。しかし50オトコにとって、かつて短いスカートで腰をくねらせていた女性を見てきただけに理解しがたいものだったに違いない。
パワハラもしかり。自分自身は、先輩に殴られたりもしながら指導を受けてきたが、いざ自分が管理職になったら、部下に手を上げるわけにはいかない時代になっていた。むしろ、セクハラやパワハラととられないよう、部下に対して当たり障りのないつきあいになっていくのだ。
家庭内でも絶対君主的な家長として君臨するわけではなく、下の世代のように、イクメンとして子育てに積極参加するわけでもない。妻の意見に反対はしないが、だからといって、「こうする方がいい」という主導権はとらない。
そんな50オトコに、オンナがイライラしないわけがない。
※女性セブン2016年7月7日号