1970年代のアイドルは、ひとりひとりが個性的で圧倒的な存在感があったと語るファッションプロデューサーの植松晃士氏。今またブームが来ている70年代アイドルについて、植松氏に聞いた。
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皆さま、ご機嫌よう! 前回、「この夏は1970年代風ファッションもトレンド」というお話をしましたが、個人的には“1970年代アイドル”ブームがきています。
1970年代アイドルといえば、山口百恵さん、桜田淳子さん、南沙織さん、麻丘めぐみさん、榊原郁恵さん…。皆さんも心の中に、思い出深い理想のアイドルをもっているでしょう?
1970年代がピンとこないかたに説明をすると、松田聖子さんデビュー以前が1970年代。聖子さんは1980年デビューです。当時の子供たちは夢中になってピンク・レディーの『UFO』を歌い踊っていたものです。もちろん私もその1人で、今でも振り付けは完璧。
そして星の数ほど名曲が生まれた中で、私のいちばんのお気に入りは、桜田淳子さんの『気まぐれヴィーナス』です。トマトにたとえた、健康的で上品なお色気もほんのりの歌い出し。
桜田淳子さんがとびきりキュートなことはもちろんですが、何と言ってもアップテンポなメロディーにテンションが上がるんです。振り付けもすごくかわいい。あんな笑顔と仕草に、ぐっとこない男子なんているでしょうか。若さって本当に素晴らしいですね。
最近では、気分が沈みがちになると無意識に『気まぐれヴィーナス』を口ずさんでいます。声に出さないように気をつけなくてはね。アイドル動画を見ると、子供の頃は気がつかなかった発見がたくさんあります。あるアイドルのずば抜けた脚のきれいさや、当時の洋服のトレンド。テレビに映る頭の角度ひとつでかわいく見えたりすることも、当時は気づきませんでした。