中央に植え込みがあるパッと見、美しいロータリーではあるのだが、とにかく小さすぎ! 一般車とタクシーは一応分けてあるのだが、ルールを守らないクルマがある限り、今後も渋滞は解消されないだろうし、何より歩行者とタクシーから降りるお客の小競り合いは日常茶飯事なのである。
次に乗り場だ。こちらもグランルーフの工事に伴い、少しずつ場所の移動を続けているうちに、現在の場所に落ち着いたのだが、「え? これで完成?」と疑いたくなるような使い勝手の悪さなのである。
9月は東京でも雨の日が多かったのだが、まず、グランルーフのシンボルである大屋根と、タクシー乗り場の屋根の間に隙間があり、雨風が吹き込むのである。初めて利用する人たちは「え? 嘘でしょ?」という表情で再び傘を開いている。名古屋の新幹線口や新大阪駅前のタクシー乗り場はとてもキレイとは言えないが、雨だけはしのげる屋根が付いている。なのに東京駅は、屋根が足りていないのである。
続いて、乗り場は、ジグザグ式に3列に設計されているのだが、これが芸能人には不評。一般客から声をかけられたら最後、ジグザグが終わるまで会釈をし続けたり笑顔でいなければならない…というのである。
たとえば新大阪駅の場合は、近距離と中型、小型、さらにはワゴンタイプのタクシーが停車できるスペースがあり、それぞれの列にタクシーが並べる、かなり広いタクシー乗り場だ。名古屋駅も、ほぼ同時に3台のタクシーがお客を拾えるシステム。新幹線の利用客でタクシーを利用する人は複数のスーツケースをトランクに入れたり、助手席も利用したりする大人数だったりもするので、乗降に時間がかかる。
そこで東京駅のタクシー乗り場には、「混雑時」は、1台目と2台目、同時に乗るように注意書きを記した看板がある。「公益財団法人 東京タクシーセンター」によるものだ。
が、わざわざ「混雑時」と記しているせいで、乗客独自の判断によって、「それほど混雑してないから、自分の目の前にタクシーが来るまで動かない」という人があまりにも多く、とにかくタクシー待ちの列が動いていかない。
さらに、同スペースの脇には長距離バス乗り場があり、発車時になると何台もの大型バスがタクシー乗り場の横をすり抜けていく。
これが本当に危険。なぜなら、スーツケースをトランクに積むサポートをするために外に出て来るタクシードライバーが、大型バスに接触しそうになるからだ。