小池百合子氏や蓮舫氏ら女性リーダーの誕生が相次ぐ日本政界。官僚時代に男女雇用機会均等法制定の中核を担い、細川護煕政権では文部大臣に登用された先駆者、赤松良子氏(87)はそんな日本政界をどう見ているのか。
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今は“女性の活躍の時代”だと言われていますね。ちょっと前までは掛け声倒れだなんて思いながら、掛け声はないよりはいいと思って声を掛け続けてきました。しかし今、蓮舫さんと小池百合子さんという二人の女性リーダーの誕生によって、ようやく掛け声倒れではなくなったなという実感があります。
私は若い頃、男性と競争するのなら最低限同じ出発点に立ちたいと思ったし、“私は立てている”とも思っていました。東大法学部出身だし、国家公務員試験も上級職試験に合格していたし。
けれど、当時女性を採用する省なんて労働省だけでした。婦人少年局(現在は雇用均等・児童家庭局)という部署があって、当時の課長は谷野せつさんという日本で初の工場監督官を務めた有名な方でした。
女工哀史という言葉があるように、女性が繊維工場で過酷な労働に就いていた時代にそうした労働条件を改善するために尽力なされた。私が入省した当時、それはもうすごい貫禄でした。
ただ、私はすぐに埼玉の労働基準局に飛ばされてしまったの。今でこそ埼玉は発展しているけれど、当時の埼玉はねぇ……荒川を越えて埼玉に向かうとき「ああ、これで都落ちだわ」と肩を落としたものでした。