一緒に入省した男性はとっくに地方課長になっていて、さらに昇進する頃でした。「国家公務員は男女平等かと思いきや、こういう目に遭うのか」と思ったものです。あの頃は飲んだくれてストレスを晴らしていたわ。お酒は強かったの。自分の満足する仕事ができるようになったのは、40歳でようやく本省の課長になってからでした。
そういう時代を経て、私はこれまで女性政治家をサポートしてきましたから、蓮舫さんにしても小池さんにしても、足を引っ張ることばかり言い立ててほしくない。
私は細川内閣で文部大臣を務めましたが、細川バッシングがすごかった。細川さんのお金の使い方がおかしいのではないかという問題が浮上して(※注)、自民党が毎日お金の使い方の問題の質問ばかり、国会の予算委員会でするわけ。
【※注/細川氏が佐川急便からの借入金を未返済にしているという疑惑が浮上。細川氏は熊本の自宅の門や塀の修理のための借入金だったと説明したが、国会は空転した】
予算委員会では来年度予算が決まるまで全閣僚が並んでいるのに全然関係ない話ばかりで、資料をもって準備していても全然質問が来ないで、借金の話ばかりでうんざりしていました。
女性政治家がせっかく台頭してきたのに、同じようなやり方で潰すのはつまらない。政策をよく見て、ちゃんと実現していかれるよう見守りたいものです。
●あかまつ・りょうこ/1929年生まれ。労働省で婦人局長を務めた後、在ウルグアイ大使、文部大臣を歴任。
※週刊ポスト2016年10月14・21日号