10月28日、東京・中野サンプラザで歌手・田原俊彦(55)がコンサートを行なった。『ピエロ』『チャールストンにはまだ早い』『ジャングルJungle』など往年のヒット曲から『Bonita』『ときめきに嘘をつく』『BACK TO THE 90’s』など近年のナンバーまで全21曲を約2時間にわたり、歌って踊った。
この日の田原は、ダンスのキレも普段以上に増していた。『原宿キッス』のサビで左足を開脚し、すぐに立ち上がる場面がある。55歳になる男が、一度身を屈めた体勢から尻をつかずに、両足だけで体を元に戻すのは容易いことではない。ツアー初日の埼玉・加須や静岡・森町での公演では、全盛期と比べて滑らかに立ち上がれたとは言いがたかったが、中野公演では開脚後スムーズに体を戻していた。
MCでは、「疲れているように見えるでしょ? 一生懸命やっていると思われるように、わざとやっているの」といつものように冗談を飛ばしながらも、中16日空いたラストの東京公演に体調を合わせてきたことを感じさせた。
ステージには、29年来の親友も現われた。『誘惑スレスレ』が2番に差し掛かった時、中央の暗幕をすり抜け、真っ白なスーツ姿の男が颯爽と登場。キング・カズこと三浦知良(横浜FC)の姿に、会場から大歓声が巻き起こった。ディナーショーには毎年登場するカズだが、ライブで歌うのは久しぶり。田原のファンであり、親友でもあるカズはステージ上をゆっくり歩きながら、時にフリを入れ、感情を力一杯込めて『誘惑スレスレ』を歌い上げた。芸能記者が話す。
「カズが田原俊彦の歌を唄うと、本人以上に本人っぽく聞こえる(笑)。着こなし方や歌い方を見れば、どれほど心酔しているかがよくわかります。
49歳で現役を続けるカズにとって、55歳になっても歌って踊る現役のスターである田原俊彦の存在は励みになっていると思います。田原はジャニーズ事務所を独立後、メディア出演が減り、苦境に立たされましたが、それでも毎年のステージは欠かさず、歌って踊るスタイルはブレなかった。決して“懐メロ歌手”にはならず、テレビ出演の機会があれば、年齢を感じさせない動きを魅せる。一流の現役パフォーマーであり続けています。そんな姿を間近でずっと見てきたからこそ、カズは田原を慕い続け、離れなかったのでしょう」