カズがステージを去り、『抱きしめてTONIGHT』のイントロが流れると、会場はさらにヒートアップ。大ヒット曲にファンは酔いしれた。続けざまに、苦境時代の2003年に発売され、田原の心情を現す歌詞として人気の高い『Dynamite Survival』と畳み掛け、会場の熱気は最高潮に達した。
「例年の倍以上に『抱きしめてTONIGHT』のイントロで大歓声が沸き起こった。以前のファンが戻ってきたり、新規の観客も増えたりしたように感じました」(同前)
28日の東京公演では、金と銀のテープが放たれたり、上から大量の風船が落ちてきたりするなどの演出も施されたが、初日の加須で「セットは地味ですけど」と本人も語ったように、ツアー全体を通してみれば演出はおとなしめだった。だが、派手な演出がなくても、たった1人のパフォーマンスで観客を魅了できる。田原俊彦が37年間培ってきた結晶がステージにあった。