また、わが子ががん患者になってしまった姑が、嫁を追いつめてしまう場合もあると大西さんは言う。
「不安や看病疲れがあるなか、“あなたの食事が悪かったんじゃないの?”“なぜ、もっと早く見つけられなかったの?”“一緒にいてなんでわからなかったの?”と奥さんが責められることがあるんです。“親”という存在は、どうしても関係が近いがゆえにトラブルになりやすい。しかも、親世代が病気や治療のことを勉強せず、口だけ出すケースもあります」
逆に、がんをきっかけに、義理の家族との関係が改善された人もいる。8年前にステージIIの乳がんを告知された伊藤優奈さん(仮名、54才)が言う。
「これまで姑や小姑との関係がよくないというか、私って好かれてないんだな、と感じてたんです。でも、乳がんになったと伝えたら、同情されたんです。小姑が“がんかもしれない”と検査を受けていた直後だったから、気持ちがわかったんでしょうね。彼女はがんではなかったけど、急に優しくなったというか、かわいそうねって感じです。ちょっと複雑ですね(笑い)」
※女性セブン2016年11月24日号