今年5月に、『笑点』(日本テレビ系)の新メンバーに抜擢された林家三平(45才)。起用後の番組は、6代目司会者になった春風亭昇太とともに話題を集め、視聴率もぐんぐん上昇した。しかし、肝心の三平の大喜利での回答はというと、「ハラハラして見ていられない」「ほかのメンバーと比べると物足りない」など、『笑点』ファンからは厳しい声も多い。出演から約半年、見えてきた三平の課題とは? これまで、『笑点』の現場取材を重ねてきたコラムニストのペリー荻野さんが鋭く指摘する。
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「妻女優 夫はパッとしない三平だ」
林家たい平の答えに会場が沸いて拍手が起こる。
「拍手しなくていいんです!!」
汗をかく林家三平の横で司会の春風亭昇太まで「そうだなーと思って」とちょいちょいと拍手して、またまた会場大ウケ。先日の『笑点』大喜利の一場面だ。
生放送で28.1%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)と高視聴率を引っ提げて、林家三平が『笑点』新メンバーになって半年余り。「パッとしない」などと言われる三平に、笑いながらハラハラしている視聴者も多いらしい。なぜ、身内でもないのにハラハラするのか?
それはやっぱり『笑点』大喜利では安心して笑いたいという気持ちが働くからだろう。三遊亭小遊三が自分を福山雅治と言いだしても、三遊亭好楽が「仕事がない」とぼやいても、林家木久扇が「いやーん、ばかーん」の歌や卵売りの歌でしっちゃかめっちゃかになっても、たい平がふなっしーのモノマネでひっくり返っても、三遊亭円楽が「歌丸師匠とは天国で…」とブラックネタを出しても、みんな視聴者の想定内。落ち着いて笑っていられるのである。
しかし、三平がどんな答えを言うのか。まだ視聴者には想定できない。さらに初登場の放送後、「とにかくかまないで手を上げられてほっとした」と語った三平には、まだまだ回答のたびに緊張や固さが感じられる。そのあたりも先輩たちにすかさず突っ込まれることがしばしば。これもハラハラの要因だろう。
11月27日放送の『大喜利』では、木久扇が「三平の答えがつまんなかったら、私が責任を負います」と言いだした。こんな発言が飛び出すのも『笑点』始まって以来だろう。