日本のギャンブル文化というのは、ちょっと変わっていて、個人間の賭博は一切禁止しています。ですから有名漫画家が賭け麻雀をして、現行犯で捕まったなんてニュースが、マジで流れてきます。けど公営ギャンブルはOK。パチンコもよし、サッカーくじ、宝くじも大丈夫って、なんだかなあ~です。ようするに、胴元が地方自治体や指定された企業・団体なら、ギャンブルは公認なのです。それほど、ギャンブル運営は儲かるのです。
というわけでカジノは、運営側も儲かり、客への還元率も高く、高級イメージもありと三拍子揃っています。さらにカジノは文化として、古い歴史があります。元々はヨーロッパの王侯貴族が始めた遊びのひとつで、世界的に有名にしたのは、イアン・フレミングの小説『カジノ・ロワイヤル』(1953年)です。007の映画にもなりました。モデルとなったのは、モナコの「カジノ・ド・モンテカルロ」(1878年開館)です。映画007シリーズに、何度も登場している宮殿のような館は、荘厳そのもの。お金を持ってないと、ちょっと足がすくみます。なにしろ、モナコは国家予算の半分を、カジノの売り上げで稼いでいたのですから、恐れ入ります。
そんなゴージャスなカジノ、行くには正装して、ボンドガールみたいな美女に背中の開いたドレスを着せて、ドライマティーニを飲みながらバカラに興じないと…、そんな雰囲気が漂います。やはりカジノは見栄の文化なのでしょう。その見栄の本質とは何か? すなわち、カジノでいくら負けたかを競う、「男気自慢」の世界です。カジノでギャンブル依存症になるなら、某製紙会社のオーナーのように数億円単位で負けないと、豪快とはいえません。ちなみに金持ちは、なんぼ負けても同情されませんから。あしからず。
カジノの構成ですが、大きく分けて、カード、ルーレット、スロットの3つに分類できます。カードはレートによってプレーする場所が違ってきますが、相手はプロのディーラー、最初は勝てても、最終的にはなかなか勝たせてもらえません。ルーレットも同様に、ディーラーは狙った数字に球を置けるという話もあります。ただルーレットは、勝ち馬に乗る作戦があり、ずっと勝っている金持ちが賭けた場所に相乗りする手法がポピュラーです。これで多少は遊べます。あと一番数が多いスロットマシンですが、日本ではすでにパチスロとして、全国津々浦々にあるので、珍しくもないですね。そもそも、ラスベガスに置いてあるスロットマシンの心臓部分は、日本製が多いと聞きます。
現実問題として、カジノに行ってハマったとしても、全国に1~2か所しか設置しないのですから、足しげく通えません。依存症になったら、近所のパチスロでリベンジするしかないのです。流れ的には、カジノが流行ればパチスロも流行る図式が見えてきます。
…ということで、カジノができても、さほど社会問題にならないと思うのですが、いかがでしょうか。