お正月の風物詩といって思い浮かぶもののひとつに、1920年から開催されている大学駅伝「箱根駅伝」があげられる。1955年からは毎年1月2日、3日の開催となり、正月休みで現地へ出かけての観戦をする人も多い。長年、観戦している人は気づいているだろうが、以前の箱根駅伝ではランナーが踏みきりで待たされる場面があった。現在はなぜ、ランナーの踏切待ちが発生しなくなったのか、フリーライターの小川裕夫氏がリポートする。
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年末年始やゴールデンウィーク、お盆etc鉄道に限らずバスや飛行機にも普段よりも混雑する繁忙期が存在する。
しかし、特殊な事情で、ほかの地域とは異なる独自の繁忙期が存在する鉄道会社もある。一例を挙げれば、東京都を走る都電荒川線は「4」のつく日に大混雑する。これは、”おばあちゃんの原宿”と称される巣鴨のとげぬき地蔵「高岩寺」が4のつく日を縁日としているからで、都電荒川線には高齢者がどっと押し寄せる。
「4」のつく日が縁日となっている高岩寺は、当然ながら元日も初詣客で混雑する。それは高岩寺だけではない。全国の鉄道各線はどこも初詣客でにぎわう。東武鉄道大師線、名古屋鉄道豊川線、西日本鉄道太宰府線など、参詣のために敷設された路線は全国に数え切れないほど存在する。だから1月1日は鉄道会社にとって書入れ時でもある。
だが、元日よりも翌日の2日が、一年でもっとも混雑する路線もある。それが、箱根登山鉄道だ。