芸能

エレカシ宮本主演ドラマ『俺のセンセイ』 フジ復活へ一筋の光

番組公式HPより

 かつて栄華を極めたフジテレビのドラマだが、近年は不調にあえいでいる。だが、ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏は、年の瀬の深夜に光明を見た。

 * * *
 とうとう昨年末、幕を閉じた『SMAP×SMAP』。20年間の全放送平均視聴率18.1%という超人気長寿番組を失ってしまったフジテレビ。大きな痛手です。いや、フジに吹きつける逆風は、「スマロス」だけではありません。

 年末恒例の「好きなアナウンサートップ10」(ORICON STYLE)に、フジテレビから選ばれたのはわずか男性アナ1人のみ(伊藤利尋)。女子アナはなんとゼロ。一時期の勢いがウソのよう。

 ドラマも低空飛行中。ヒット作を生み出し社会現象まで創り出してきた看板枠「月9」も、今や視聴率は1桁が当たり前と、喘ぎ続けています。たしかに、「人気凋落」と囁かれても仕方のないフジの現状。2017年の船出もやはり激しい嵐の中……と思いきや。

 絶望だけでなく、一筋の光も見えた。そう思わせてくれた一本のドラマに遭遇しました。

 2016年12月25日深夜午前1時に放映された『俺のセンセイ』。やっぱりドラマっていいな、ドラマにしかできないことがあるんだな、と実感。

 終わったドラマを新年早々に敢えて紹介するのには、ワケがあります。今、オンデマンドで無料公開中なのです(無料は1月9日まで)。ドラマの楽しみ方もテレビの外へ、ネットにスマホ、好きな時間帯へと多様に広がっていきそうな2017年。

 さて、このドラマ──。基本の3要素「役者、演出、脚本」がいずれもキラリと輝いていました。

●役者

 主人公を演じたのは…ロックバンド・エレファントカシマシのボーカル、宮本浩次。何とドラマ初主演という挑戦。10年間のスランプに苦しみ、頭をかきむしり、身をよじりながら苦悩する中年漫画家・西虎太郎の役。

 宮本氏本人のイメージと重なりつつも、落ちぶれた中年漫画家になりきった。絶望の淵に立つ中年男の滑稽さと純粋さ。混濁した味わい深い人物をイキイキと描き出した。宮本氏にしかないロックテイスト。言葉にすれば、「オッサンの透明感」「中年の中にある少年性」とでも言ったらいいでしょうか。

 ドラマの中で、そうした独自の人間味をどう活かせるかが勝負。蓋を開けると、妙な三枚目のドタバタ喜劇にならず、ありきたりのコメディでもなく、格闘する人間ドラマとしてきちんと成り立っていた。

 若き売れっ子漫画家・郡司すみれを演じた石橋杏奈さんも、素晴らしくキレ味のある演技。宮本氏と全力真っ向勝負。「冴えないオッサンvs淡泊なクールビューティー」という構図が鮮やかに立ち上がってきました。

 そして脇を固めた佐藤二朗さんや小出恵介さんからは、ドラマへの情熱が滲み出てくるようなチームワークを感じたのです。

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン