放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、昨年末で解散したSMAPの不動のリーダー、中居正広の実像に迫る。
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10代20代の中居正広を知る記者やリポーターらは、「全く喋ってくれなかった」「怖かった」「尖っていた」という印象を少なからずもっていたと思う。
「最後の最後まで、SMAPが5人揃ったときは緊張した」との感想を漏らすリポーターらも、「中居くんだけは、一人のときでも緊張した」と振り返っている。
私もそうだった。いちばん最初に取材させてもらったのは『an・an』。「好きな男」ランキングの集計途中で「今年はもしかしたら木村(拓哉)くんを中居くんが抜くかもしれない」という年で、「一人で行くのは自信がない」という若い編集者の付き添いで行ったのだ。
が、何を聞いても、うつむき加減で「そうですね」とか「そうですか?」しか言わない中居。当時、よくテレビ番組のコメントを撮りに行っていたという女性リポーターは、「これと言った話を聞けていないのに、『もういいですよね?』と、席を立たれてしまったこともある」とも言っていたっけ。
それから20年近くが経ち、『怪しい噂の集まる図書館』(テレビ朝日系)の収録後、久しぶりに取材をさせてもらった際の中居は、「中居くん…でいいですか?」と呼び方から確認するほど緊張していた私を笑顔で出迎えてくれた。
当時の番組内容にちなみ、中居にまつわるさまざまな噂を「シロかクロか」で答えてもらうというこちらの企画に、彼は多くのエピソードを挟み込みながら、タップリ答えてくれた。
なかでももっとも憶えているのは、「このあいだ森(且行)くんが夢に出てきた」という話。当時はまだ「森くん」はNGワードのような時代だったので、私を含めた取材陣に再び緊張感が走ったのだが、中居は、「森くんがまた戻って来るって言うんで、どうしよう…って色々考えているところで目が覚めた」と。
さらに中居は、現場マネジャーに「いつだっけ? 一週間ぐらい前だっけ? 俺、森くんの夢見たって言ったよね?」と確認。そこから話はさらに膨らみ、内心、「すごく面白いけど、こんな話は使えない。どうしよう」と、また冷や汗が湧き出てきたのを思い出す。
だが、その話は「書いてOK」ということになり、以降、他メディアでも「森くん」の話が出て来るようになった。
そのとき、もう一つ憶えているのは、同番組を始め、中居ともっとも共演が多かった後輩のKis-My-Ft2の北山宏光、藤ヶ谷太輔、玉森裕太に「先輩・中居の司会ぶり」について事前取材をしたことだ。
北山は「中居さんは勉強家」と言い、藤ヶ谷は「あのヌケ感がすごい」と評価。そして玉森は、「台本を覗いたことがある」と言い、「何も知らないときは、ゆるいカンジで進行しているように見えていたんですけれど、行間や余白にギッシリ書き込んでるんです」と教えてくれた。